一昔前の歯科へは歯が痛くなってから治療のために通うところでしたが、今では歯を美しくしたり綺麗な歯並びへと矯正したり、さらに日々の口内ケアなど、美しく健康的な目的のために歯科へと通う人が多くなりました。
特に審美歯科では美しい歯を手に入れるための施術が様々あります。そんな施策の中から今回取り上げるのがラミネートベニアです。
ホワイトニングやインプラントなどに比べると聞き慣れない施術ですが、実はかなり古くからある審美治療の一つでもあるのです。歯の表面を薄削りごく薄いセラミック=ベニアを貼り付ける事から、自在に貼り付けるセラミックの形や色を作れることから、昔から海外の映画スターや芸能人の多くがしていた審美方法でもあるのがラミネートベニアです。
そんなラミネートベニアはどのようなメリットやデメリットがあるのか、そしてラミネートベニアに向いている症例や施術の流れなどをご紹介していきます。
ラミネートベニアとは
審美歯科の施術の一つであるラミネートベニアは、前歯の前面の表面を0.3mmほど極薄く削りセラミック製の薄い形成歯を貼り付ける治療方法です。
麻酔の必要なく神経を抜く事もなく、歯を削る量も極わずかですので治療時間も短期間です。特殊な歯科用接着剤[注1][注2]を用いて貼り付けますので半永久的に使用することができ、メンテナンスの必要も少なく手間もかからない事から、時間に追われる忙しい芸能人を始めとして人気のある審美方法です。
参考文献:[注1]・リン酸処理液とセルフエッチングプライマーがヒトエナメル質とトリ-n-ブチルホウ素重合開始. 型レジンとの接着におよぼす影響
[注2]ポーセレン・ラミネートベニアの臨床術式
ホワイトニングで白くできなかった変色の強い歯を美しくしたい!
歯と歯の隙間が気になったり前歯の歯並びを綺麗にしたい!
など、色を綺麗にするとともに前歯の形を整えて歯のすき間を改善し歯並びをよくすることもできます。さらには金属を使用しないため金属アレルギーのある方でも治療できる特徴があります。
その半面、奥歯などかみ合わせが強い箇所の治療はできなく前歯のみが治療対象になりますのでご注意下さい。さらに保険適用外ですの治療費が高い傾向にあります。
では次にラミネートベニアのメリット・デメリットを一覧にしてみましたのでご確認下さい。
ラミネートベニアのメリット・デメリット
メリット | ・ベニアをかぶせる事でどんな色の歯でも白くすることができます。
・さらにご自身の他の色や形に合わせることができるので自然な仕上がりにすることができる。 ・通常、2回から3回の通院で治療が完了するので短期間で綺麗な歯にすることができます。 |
デメリット | ・極わずかではあるものの、ご自身の健康な歯の表面を削らなくてはならない。
・半永久的に使用できるもののセラミック製のため衝撃には弱く欠ける場合もある。 ・保険適用外のため、治療費が高額になる。 |
歯を白くする治療にはラミネートベニア以外にホワイトング、クラウンなどの治療がありますが、それらと比べてどのような違いがあるのか、こちらの特徴も比較してみました。
ラミネートベニアと他の治療方法の比較
ここではラミネートベニアと審美歯科に通院しながら治療するオフィスホワイトニングそして差し歯や被せ歯として一般的なクラウンの中でも丈夫でラミネートベニアと同じセラミックを使用したセラミッククラウンを比較します。
ラミネートベニア | オフィスホワイトニング | セラミッククラウン | |
歯への影響 | 前歯の前面の表面のみ薄く削るので影響は限定的 | 削る必要なし。歯には一番やさしい治療法 | 削る必要があり、さらに場合によっては神経を抜く場合もあり。 |
通院期間・回数 | 2回~3回1ヶ月ほど | 1回~5回ほど(希望の白さや個人差による) | 3~4回1ヶ月ほど |
治療費相場 | 5万~10万円ほど | 2万~5万円ほど | 12万~18万円ほど |
歯の形の修正 | 前歯の小さな隙間やねじれ修正可能 | 歯の修正はなし | 大きな修正が可能 |
将来の変色 | 変色が少ない | メンテナンスをしないと2~3年で元に戻る | 変色が少ない |
ホワイトニングは健康な歯を削る必要がありませんが、色の戻りが早く定期的なメンテナンスが欠かせません。クラウンは虫歯などで大きく削った場合に用いられる被せ物でラミネートベニアに比べて削る量が多く範囲も広くなります。
ラミネートベニアは極薄く前歯の前面のみを削るので歯への影響も少なくてすみます。さらにホワイトニングでは白くできない変色の強い歯へも対応しています。
各治療とも、それぞれ一長一短があり、ご自身の歯の状態を医師に見てもらいながら治療方法を相談して決めていくことが非常に大事です。
※治療費は各施術とも保険適用外なため医院によって治療費は変わってきます。
ホワイトニングの詳しい情報はこちらのページでご紹介していますので併せてご確認下さい。
こんな歯の状態の方はラミネートベニアがお勧め
保険適用外で決して安い治療法ではないラミネートベニア。さらに全ての方の歯の状態に敵した治療方法でもありません。そこでラミネートベニアにはどのような歯の状態が適してるのか、その代表例をご紹介しますのでご参考にして下さい。
ラミネートベニア治療の一番の特徴でもあるのが、どのような色の歯でも白くできる事です。
ホワイトニングで白くできなかった方や変色が激しい方。[注3]さらに白くすると同時に歯の形まで矯正できますので、前歯の隙間やねじれた歯[注4]が気になる方に適しています。
参考文献:[注3]国立大学法人大阪大学
[注4]ポーセレン・ラミネートベニアの臨床術式
さらに通院も2回~3回程度で終了しますし、欠けたりずれることがなければメンテナンスの必要もありませんので時間に余裕の無い方にもお勧めです。
さらに
・矮小歯(わいしょうし)と呼ばれる元々、歯の小さい方
・前歯が欠けていたり、すり減って摩耗している方
・前歯の軽い矯正
などの方にも適した施術です。
ラミネートベニアが適していない症状
今まで見てきたようにラミネートニベアには様々な症状の方に対応しているのですが、逆に適していない症状もありますので、こちらも確認しておきましょう。
ラミネートベニアは一本一本形成し貼り付けますので、欠損やねじれが大きな歯、さらに隙間の大きな矯正などには適していません。そのような場合はセラミッククラウンでの治療となるのが一般的です。
また注意したいのが、大きな力が加わると破損の原因となることから前歯治療に限定されていますが、歯ぎしりの多い方や上下のかみ合わせの良くない方もベニアが破損するため治療ができない場合があります。
そして虫歯や歯周病、歯肉炎の方も施術できません。しかしこれらの治療が終わればラミネートベニアでの施術は可能です。さらに子供の場合、顎や歯は成長途中であるため子供の施術も適応外です。ある程度、成長がすんでから施術可能ですのでご注意下さい。
ラミネートベニアの治療の流れ
- STEP1カウンセリング初診では歯の状態確認や色・形の希望確認を行います。
- STEP2治療する歯の表面を削ります。歯の極表面を削るだけですので麻酔も必要なく痛みをともなわずに治療できます。表面を削りましたら歯型をとりセラミックプレートを作成します。通常1周間ほどで作成完了します。
- STEP3接着接着施術し完了です。初診から完了まで2週間~4週間程で治療は終了します。
通常これらの流れで2回から3回の通院で1回あたり30分~1時間、期間は2週間~4週間程で施術が完了します。
ラミネートベニアのビフォー・アフター
海外では1920年と古くから行われてきたラミネートベニア治療ですが、日本では1980年台のアイドル全盛時代、時間もなく忙しい芸能人が、時間もかからず通院回数も少なく簡単に歯を白くそして、歯並びも矯正できることから、一気に広がりました。
実際にどのくらいの効果があるのか、多くの方がインスタグラムで紹介していますので、その一部をご覧下さい。
さらに芸能人でご自身から治療のお話されるのは珍しいと思いますが、梅宮アンナさんはご自身のブログでラミネートベニアの治療の様子を綴っております。
引用元:https://ameblo.jp/umemiyaannna/entry-11993446858.html
その中の一文にこんなものがありました。
「歯を変えたら気持ち全然ちがいました。笑う事も怖くなく、笑えそうです。。」
芸能人に限らず、今では一般の方でも口元を意識する方が非常に増えています。口元それも歯から受ける印象はそれほどまでに大きな影響を与えるとともに、梅宮さんのように「笑う事も怖く」なるほど、ご自身のコンプレックスとなっている場合が多々あるのです。白い歯と綺麗な歯並びが作り出す自然な笑顔が、どれほど素晴らしくもあり人の意識を向上させるのか改めて考えさせられますね。
ラミネートベニアで大切な歯科選び
ラミネートベニア治療で大切なのは、信頼できる歯医者さんを選ぶ事です。ラミネートベニアは保険適用外で自費治療ですので歯医者さんが使用する機器や薬剤、さらに成形する歯科技工士の質など、様々な要素により料金が大きくことなります。
そしてラミネートベニアは極薄いセラミック版を装着するため装着するための接着剤の色や元の歯の色により仕上がりが全然変わってきます。また欧米人に比べ歯の表面のエナメル質が薄いため[注5]削るにも細心の注意と技術が必要となります。[注5] 日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
そこで重要になるのが最初のカウンセリグでの相談で、ご自身の希望をはっきり伝え、それに答えて様々な提案をしてくれる信頼できる歯医者を選ぶことが必要です。
そのための判断材料となるのがHPでの表記です。
・施術の流れや料金をしっかり明記されているか?
・設備の充実度は?
・口コミサイトなどでの評判は?
これらを事前にリサーチすればある程度の信頼性がわかります。しかし実際のお話し相談した印象から受ける点も重要です。今では初回カウンセリングや無料相談窓口を設置している歯科医もありますので、大いに活用し信頼できる歯医者さんを選びましょう。
歯が命の芸能人や有名人、そんな人達が治療している審美歯科をご紹介していますので、ご参考にしてください。
これからのラミネートベニア
従来のラミネートベニアでは極薄く健康な歯を削らなければなりませんでした。それが唯一、大きなデメリットでもありましたが、しかし今では技術の進歩や素材の改良により、一切削る必要の無いラミネートベニアも登場して来ました。
しかしまだまだ対応できる医院が少ないのが実情です。さらに定期的なメンテナンスも必要で費用も倍ほどと高額な治療費がかかります。しかし削る必要もないため仮歯の必要もなくコンタクトレンズ程の薄さのベニアを貼り付けるだけですので、手軽にできることから、これからどんどん普及していけば治療費も低くなり、ラミネートベニアが審美の一般的な治療法となるかもしれませんね。
もっと安価で手軽に白い歯が欲しい!という方へ
今回紹介したラミネートベニアは、もちろん専門のクリニック等でしか受けることができない施術です。
「なるべく費用をかけたくない」「そこまでしなくても、今よりちょっとだけ白くなるような方法はないの?」と思う人もいるかもしれませんね。
そういう方には、自宅で自分でホワイトニングを行えるアイテムを使用することをおすすめします。
薬用パールホワイトプロEXプラスという、日頃の歯磨きと同じように使えるホワイトニング用のジェルもありますので、まずはこういうものを試してみて、もっと白くなりたいと思ったら審美歯科への受診を検討してみてはいかがでしょうか。
この薬用パールホワイトプロEXプラスは、その名の通り薬用成分が配合されている医薬部外品。しっかりと口内をケアしつつ、歯の黄ばみや着色汚れに働きかけてくれるので、これだけで満足のいく白さを手に入れる人もいるでしょう。モデルの方も利用しているそうですよ!
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白い歯を手に入れるための手段は色々とありますので、こういった負担の少ないものから検討していくと良いかもしれませんね。